管理職の7割が転職後に年収アップ!パソナキャリアの転職エージェント山田さんを取材してきました
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2019年09月06日
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2019年09月06日
数年ぶりにパソナキャリアに行ってきました!パソナキャリアは全職種に対応した大手人材紹介会社で、利用者からも「大手だから」という規模と安心感による理由で選ばれています。パソナキャリアには2014年にもインタビューさせていただきましたが、それから事業や転職業界事情に変化があったかどうかをうかがってきました。
パソナキャリアでは、経験よりもホスピタリティなどの人柄を重視して、新たな転職エージェントを採用しており、この数年で大幅増員されていました。また、新しい部署の設立といった内部組織の改善・向上を図っているだけでなく、エージェントとしての能力の向上にも力を入れられているとのことでした。
今回は、管理部門のキャリアコンサルタント(転職エージェント)を担当されている、山田さんにお話を伺いました。山田さん(画像:右)は、国家資格『キャリアコンサルティング技能士』を取得されており、転職業界歴11年半以上のベテラン転職エージェントです。
そのほかにも管理部門の転職事情を中心に、企業が求めている人物像や需要の高い職種、面接対策の詳細内容なども伺いました。数年後のサービス利用の再開や定期連絡といった、入職後のサポートについてもお応えいただきました。
この記事の目次
基本は分業制です。完全に分業としている求職者のアドバイザー専門チームもありますが、専門性の高い案件の場合は、兼任制を設けています。
最近は企業から要望されて、兼任するケースも増えています。実際、兼任をしたほうが話の流れがスムーズであったり、マッチング精度が高まったりもするので、要望されて応じるケースは増えてきています。
金融業界やメディカル業界は、基本的に兼任制となっています。
分業制・兼任制いずれも特徴としている人材紹介会社は他にもありますが、兼任制としているところの中には、エージェント自身が抱えている案件を強く押してくる場合があるそうです。しかし私達は、分業・兼任関係なく、全業界全業種の案件をシェアしているので、多くの案件の中から求職者のスキルとキャリアに合った最適な提案をすることが可能です。
また、私たちは求職者にとってベストな選択ができるよう、第三者目線からアドバイスをすることをポリシーとしています。もし、他人材紹介会社から受けている提案の方がその方にとってベストであれば、そちらをお勧めします。在職中の話を伺って「きっと転職しない方がいいだろう」と感じた場合は「もう少し今の場所で頑張られた方が良いですよ」と、お伝えします。転職を押しつけることはしません。
2006年の入社後、2回産休育休をとっているのですが、通算すると11年半くらいです。現在は、管理部門のキャリアアドバイザー(転職エージェント)を担当しています。
トータルでは大体3000人位だと思います。そのうち転職成功された方は15%くらいです。
ここ数年で3倍近く増えて、300名くらいとなっています。
様々な業界出身者が多く、人材紹介の業界経験者はあまり多くないです。
エージェントは様々な業種をサポートするため、前職で培ってきた業界知識が活きてくるんです。業界の動向や事情を把握しているからこそ出来る、アドバイスやサポートを提供しています。『ホスピタリティはあるか』『求職者のことを真剣に考えられるか』など、転職業界の経験有無よりも人間性を重視した採用をしています。
キャリアコンサルティング技能士や産業カウンセラー・CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)など、さまざまな資格を取得しているエージェントが所属しています。
経理が1番多いです。人事やマーケティング企画・事務アシスタントと秘書系は経理に続く割合となっています。
管理部門の場合は、戦略的人事など会社の機密に関わることがあり、企業側から『オープンにしたくない』という要望を受けて、非公開求人とすることが多いです。
他にも、経理など数字を扱う部署が公に求人を出すと、「誰かが辞めたんじゃないか」「業績が悪いのではないか」といった噂がたつこともあるので、そういった事態を避けるや、役職者のリプレイスによる求人など「本人に見られてしまうと困る」といった理由のあるものは非公開にされる企業も多いです。
ニーズの高い職種は経理です。求人の数も経理はとても多いです。経理経験のある求職者の場合、大量の求人がヒットしてしまうため、どれを提案するべきかとても考えることがあります。そのくらい需要が多いです。
人柄でいうと、新しいことが吸収できる素直さはあるか、仕事内容を自ら聞きにいけるような行動力はあるか、仕事以外でもコミュニケーションはとれるかなど、最終的には人柄の面が重視されてきます。スキルがあってもそういった面が欠けていると、不採用になってしまうこともあります。
20代はなにか1つの経験があれば、採用に繋げることができます。
30代は、"同じ職種のなかでも、幅広く経験を積んでいるか"、というところがポイントとなってきます。人事で例えると、採用業務だけでなく、採用と研修・人事制度を経験している、などといったことです。
40代になってくると、職種経験だけでなく業界経験まで問われることが増えてきます。例えば『金融業界で経理をしていた』とか『金融業界で法務の経験がある』など、業務だけでなく業界の専門知識も携えているかどうか、その他にもマネジメント経験はあるか、といったところを問われることになります。
このように、年齢に応じてちょっとずつでも経験を積んでこられているかどうかは、大きなポイントとなります。
管理部門の採用状況は、数年前から売り手市場が続いています。この状況はオリンピック頃まで続くと予想されています。
管理部門の求人数は時期によっても変化します。基本的にはいつでも充分な求人量を保有しているのですが、6・7月は特に求人が増える傾向にあります。
約7割の方が年収アップされていますね。管理部門系は、前年収を考慮することがほとんどで、「前の会社でこのくらいもらっているのなら、少しのせますよ」という企業が多く、多少の額ですが年収アップされる方も多くみられます。いきなり数百万円上がるということは、ほぼありません。
「必ず入社して頑張って成果を出します!」くらい、ハッキリした意思表示をされてから企業に打診をします。なぜならハッキリとした意思表示の出来ていない段階で交渉を行っても、応じてもらえる見込みが低いからです。
他企業からもアプローチを受けている求職者の場合は、「他企業はこの年収を提示してきているので、この額以上を提示しないと採用は難しいですよ」と、働きかけることもあります。
前職で多いのは、人事・経理・企画やマーケティングです。年代構成は20代20%・30代30%・40代30%・50代以上20%、という割合になっています。あまり年代による差はありません。
『年収や待遇面をアップさせたい』『キャリアアップを図りたい』、これらが特に多い理由です。『残業が多い・人間関係に悩んでいる』といった、環境を変えたいという理由もよくうかがいます。
普段の恰好で来てください、とご案内しています。在職中で仕事後に来社される方の場合はスーツの方もいらっしゃいますが、私服で来られる割合の方が多いです。
面談は基本的に、東京・大阪・名古屋のオフィスで行っています。遠方の方など、来社が難しい方の場合は電話面談にて対応いたします。
ある程度経験の棚卸をしておいていただけたら十分です。あとは、今後のキャリアに関して、漠然とでもいいので考えておいていただけると、より有意義な面談が行えると思います。
あります。以前、求職者のスキルや条件をみて、申し分ないという企業があったのですが、面接後の結果は不採用でした。その理由を企業側に問いてみた結果、その求職者はスーツではなく花柄のワンピース姿で現れたそうです。「素敵な装いではあるけど、TPOが心配...」というのが不採用理由でした。
希望者だけでなく、面談で会話をするなかで「この方は面接対策を徹底した方がいいかな」と感じた場合は、こちらから面接対策を提案して、何度も模擬面接や面接対策をしてもらっています。
「面接にはこういう恰好で行きてください」と、服装の参考画像をお見せしたり、「受け付けには面接予定時間5分前に行きましょう』など、基本的なところから指導をして、覚えてもらってから面接に臨んでいただきます。面接対策の時に1度、面接時の服装で来てもらってチェックしたりもします。
はい、実施しております。模擬面接専門の部署がありまして、面接本番さながらの面接対策を実施しています。
多くの方に活用されています。私が担当して転職成功された方の8割は、なにかしらの面接対策をされています。そのため、基本的に書類選考を通過した時点で「面接対策を行いましょう」と、ご案内しています。
話が長過ぎていないか、というところですね。基本的に1分以上の話は長い、とされています。他は、結論から話が出来ているかどうか、参考書に書かれているセリフのような内容ではなく自分の言葉で喋れているかどうか、この点を重視してみています。
大体1時間くらいです。
修正というわけではありませんが、「自己PRに何を書いたらいいかわからない」と、空白状態のままいらっしゃる方は割と多いです。そういった場合は「では貴方の強みは何か、どういったスキルとアピールするか」など、我々も一緒に考えて作成をしていきます。
書類添削で大幅に書き直すということは、あまりないです。弊社のホームページに掲載している職務経歴書のサンプルやフォーマットを参考に書類作成されている方であれば、ほとんど手直しをする必要がありません。
文章体で書かれているものを、箇条書きにするようアドバイスすることが多いです。企業の方が長い文を全て読むということは、ほぼありません。そのため、求人票にあるキーワードに自分があてはまっていることをアピールするために、書類にも同じキーワードが散りばめられているかどうかを確認しています。同じ意味の言葉を使用している場合は、より企業側が求めているキーワードに近い言葉に直すよう、アドバイスすることもあります。
1ヶ月~3ヶ月以内が平均期間です。最短は1週間、最長は1年半くらいです。
あくまで私が担当した求職者の中で、お話を聞いた範囲でいうと、8割くらい方が併用されています。一番初めに希望条件などをうかがうアンケートのようなものを記入していただくのですが、項目のなかに、"他の人材紹介会社のご利用はありますか?"という質問があるんです。皆さん基本的に正直に開示してくださいます。
どういった方でもサポートできるように努力しておりますが、「どうしても...」といったやむを得ない場合であれば、担当変更にも応じます。
できます。外国国籍の登録者も徐々に増えていますし、外国人サポート専門の部署もあります。弊社には外国人スタッフも在中しております。
必ず1週間・1ヶ月・3ヵ月のスパンで連絡をして状況を伺っています。そこで何かあれば相談をする、といったサポートやフォローをしています。連絡手段は基本的にメールで行っています。
2年後、3年後に、久々にご連絡をいただいて、新たにサポートをさせていただく。という事例は、とても多いです。数年後であっても、お仕事に関して悩みごとがあれば、いつでもご連絡いただきたいです。
再登録というよりは、"サービス利用の再開"というカタチでの、ご案内・サポートとなります。「以前お世話になった◯◯です。」と、直接メールや電話で連絡を受けることが多いです。
それに担当者が変わらないことで、求職者の特徴やキャリアの流れなどを理解・把握しておくことができるので、長期的プランでの提案がより可能となります。相談や悩みなど何かありましたら、いつでも再度ご利用いただきたいです。
登録者にペナルティが発生することはありません。登録者や転職者の方が不利益なことになるようなことは何もありません。
法科大学院出身で、「今まで勉強をしてきたけど、弁護士などの司法試験には合格できなかった。でも、今まで学んだことを活かした転職をしたい」という方がいらっしゃいました。正直最初は、実務経験が無いから難しいかな...。と考えていたんです。
しかし、法務系は法律の知識がしっかりあれば、実務経験よりもその点を重視する職種だったんです。結果、その方は知識を買われて採用・転職されました。学んできたことを活かした転職ができた、と求職者の方と一緒に喜んだことを覚えています。
転職業界の動向や面接対策の詳細など、たくさんの質問にお答えいただき、ありがとうございました!こちらが伺った以上に、掘り下げて細やかなところまでお答えくださり、とても有意義な取材ができました。
管理部門の雇用ニーズは、経理職を中心に今後もしばらく追い風が続くそうです。売り手市場の現在であれば、より自身の希望にそった転職が叶えられそうですね。しかし、年代によっては経験や実績を強く問われるそうなので、自身のキャリアやスキルの棚卸をしっかり行った上で相談した方が良さそうです。
数年後であっても以前の担当エージェントに直接コンタクトをとって、サービスの利用を再開することができる、ということも教えていただきました。
直近の転職だけでなく、5年・10年後のビジョンを考慮し、求職者と一緒に人生ベースでキャリアプランを形成していくことを大切にされている、とのこと。その姿勢に、頼もしさと人柄の温かさを感じました。「今の仕事じゃない気がする...」そんな漠然とした状態でも、じっくり相談にのってもらうことができるので、もやもやとした不安に悩んでいる方は一度相談してみることをオススメします。
現在は希望を叶える転職がしやすい状況となっています。しかし、5年後10年後にどうなっていたいか、ではいま何をするべきか、自身のキャリアをしっかり考えて最良の選択していただきたいと思います。
また、労働条件だけでなく、一緒に働く方がどういった方かを事前に把握しておくことも大切です。一緒に働く人が良い人であれば、大変なことがあっても乗り越えることができます。しかし、そうでない人の場合は、仕事だけでなく気持ち的にも疲れてしまい兼ねません。どんなに待遇がよくても、結局人間関係が上手くいっていないとモチベーションもなかなか上がりません。転職される際には、環境やスタッフの人柄をしっかり見てから選定されることをオススメします。
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