2024年2月の転職情報｜「女性の転職は難しい」「転職が多い人の採用は厳しい」？人材大手が転職の都市伝説を検証

■転職の都市伝説を人事目線で検証｜「転職が多い人は離職率が高い」？転職0回の人との差はわずか10～15％前後

人材事業大手のリクルートが運営する「リクルートワークス研究所」が記事【転職の都市伝説を人事目線で考える】を2024年1月に発表。転職にまつわる3つの"都市伝説"をデータをもとに検証しています。

＜3つの都市伝説＞
1.『女性の方が採用は厳しい』
2.『転職が多い人の採用は厳しい』
3.『ブランク期間が長い人の採用は厳しい』

1.女性の方が採用は厳しい

正規雇用から転職した男女を比較すると再度正規雇用についた人の割合は女性のほうが10％(※条件により20％)低いことが判明。
女性の正規雇用への転職は男性に比べて難しいという都市伝説を裏付ける結果となりました。

近年、男女間に潜む合理的な理由のない格差が注目されています。社内の男女間賃金格差を分析したメルカリでは、役割・等級や職種などの差に起因しない説明できない格差が７％あることが判明し、報酬調整を実施して2.5％まで格差を縮小させるなど、"都市伝説"是正を図る企業も出てきています。

2.転職が多い人の採用は厳しい

一方転職したことがない人と複数回転職した経験のある人を比べると、再就職後1年以内に離職する割合の差は男性10％、女性15％にすぎないことが判明。

"転職回数が多い人は辛抱が利かないので採用してもすぐに辞めてしまう"という懸念に注視するのではなく、転職経験者だけが持つ多様な組織経験等を活かすことで離職者を減らす職場環境に整え企業の魅力を高めるという視点で採用を行うことが中長期的な人材確保に資するのでは、と筆者は提言しています。

3.ブランク期間が長い人の採用は厳しい

離職してから再就職するまでの期間と再就職率を調査したデータでは、ブランク期間が長くなるほど再就職した人の割合は低下する一方、半年を過ぎるとほとんど変化しないことが分かりました。つまり、一定のブランク期間は仕事に就きにくくなるものの、離職から半年を経過すれば仕事の就きやすさに大きな違いはないということ。

また、ブランク期間が長くても就職意欲のある人がいること、ブランクにこだわらず、よい人材を採用したいと考える企業が一定数あることがうかがえます。

ブランク期間に取り組んだ経験を評価して、期待する能力を備えているのであれば、特に"都市伝説"にこだわる理由もないのでは、と筆者は提言。

ブランク期間をスキルや経験のランクアップ期間ととらえ有効に使うことで、再就職も問題なくできることがわかりました。